北山西部コースガイド〔京都一周トレイル〕

　■北山西部コース（二ノ瀬～清滝＝19.3km）

　二ノ瀬から京見峠へ（標識47～68）

左＝守谷神社・富士神社（二ノ瀬）　　右＝夜泣峠

　叡電「二ノ瀬」駅から階段を下り、鞍馬川の左岸沿いに上流へ向かうと、標識「北山No.47」が橋の西側にあります。標識「No.46」は東へ少し登った鞍馬街道にあり、電車で移動した場合は目にふれません。
　踏切の上に守谷神社と富士神社があり、標識「No.49」から右手の「二ノ瀬ユリ」は貴船山につながっています。神社の前を直進する峠道が、トレイルコースと東海自然歩道です。
　ジグザグに付けられた静かな道で夜泣峠に登ります。2018年に発生した斜面の崩落で、一部は迂回路をたどります。

左＝向山山頂　　右＝賀茂川に合流する鞍馬川（右）

　峠（標識「No.50-1」）から南に向かう山道へ入ると、やがて快適な樹間のプロムナードに変わります。標識「No.51-1」では直進します。向山山頂（標識「No.51-3」）は、枯れた松葉の積もった気持ちのよいピークです。樹木の成長で限られた展望しか得られなくなりました。
　ピークの南側は急坂です。雨天や積雪のある時は注意が必要。緩い快適な尾根道となり、ベンチのある標識「No.52-1」から北部クリーンセンターの遊歩道になります。途中で左に分岐する道は、どれも北部クリーンセンターへ降りることができます。慎重に坂道を下り、谷の倒木をやり過ごすと標識「No.54-2」で、関西電力洛北発電所の巡視路に出合います。標識「No.54-4」は発電所入口の橋際に立ち、すぐ上部が雲ヶ畑街道（大岩街道）です。

左＝洛北発電所付近（発電所の前を通って雲ヶ畑街道へ）　　右＝杉林の小峠

　標識「No.56」の階段を登り、建物の裏から標識「No.57」を左折すると畑が開けます。標識「No.58」の三叉路では右折します。車坂と呼ばれる歴史ある古道で、現雲ヶ畑街道（大岩街道）が開削されるまでは、岩屋山志明院への参詣道でした。
　標識「No.59」とトレイルコースの案内板がある地点で谷を渡ります。盗人谷の二俣は左俣へ入ります。倒木が目立ちますので、十分ご注意ください。
　丸木橋の跡は迂回路が設けてあります。氷室の入口にあたる小峠までは、急坂がつづきますのでゆっくり登りましょう。小峠で右へ分岐する山道は、満樹峠を経て十三石山へのルートです（十三石山まで約40分）。
　植林の間を西に下るとＴ字路で、左へ進むと氷室の集落へ出られます。

左＝氷室跡　　右＝彫刻を施した蛙股（氷室神社拝殿）

　地蔵尊が祀られた標識「No.65」から畦道を西に向かい、害獣進入防止フェンスの電線を外し、フェンスを潜り抜けた右側の高みに氷室跡があります。国指定史跡の標石が立っており、三ヶ所の窪地が残っています。通過したフェンスは元どおりに掛けておきましょう。民有地であり、住民の方に一声ことわるなどの心使いをお願いします。
　標識「No.65」まで戻り、車道を南へ進むと左手が氷室神社です。参道の奥に見える拝殿は東福門院の寄進によるもので、京都府登録文化財に指定されています。唐破風に千鳥破風をもつ珍しい様式です。
　西賀茂へつづく道の分岐標識「No.66」を過ぎ、舗装道路を登ります。
　標識「No.67-1」が立つ、車道との三叉路を「氷室分れ」といいます。ここで２コースに分かれます。左は京見峠で、かつて「洛中一望の中にあり」と称され、京都を望む絶景の地でした。
　峠を少し下ったトレイルの案内板がある標識「No.68」から、右に急坂の山道を登ります。これから先は、秋の９月25日から11月10日までのマツタケシーズンは通行禁止です。その間はそのまま舗装道路を進み、茶店跡のある堂ノ庭から長坂越を千束まで下ります。そして、東海自然歩道と合流して紙屋川の源流を、上ノ水峠まで迂回する必要があります。
　大正時代に周山街道が開削されるまでは、この長坂越が丹波から都への入口でした。源平の戦から応仁の乱にかけて、一帯にはその歴史が埋もれています。

《所要時間》
叡電「二ノ瀬」駅〈10分← →10分〉富士神社No.49〈15分← →20分〉夜泣峠No.50〈10分← →15分〉向山頂上No.51-3〈20分← →15分〉クリーンセンター分岐No.52-2〈55分← →45分〉山幸橋No.56〈25分← →35分〉盗人谷小屋跡No.60 〈20分← →25分〉小峠No.62〈10分← →10分〉氷室No.65〈35分← →35分〉氷室分れNo.67-1〈15分← →15分〉京見峠分岐No.68

京見峠分岐No.68〈→30分〉千束

［叡電二ノ瀬駅〈３時間35分← →３時間45分〉京見峠分岐No.68］